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体型維持

50代の体型維持に必要なこととは?

若いころは痩せ型だった、少しくらい体重が増えてもすぐに痩せられたという方でも50代になってから体型維持が難しくなったと実感される方は多いはず。
代謝はどうしても減っていくので、同じ量の食事をしていると太り、体型維持が困難となります。

50代に必要なエネルギー量

毎日の食事が健康につながることは、多くの方が理解しているのではないでしょうか。体型維持のため食事量を減らしている方は多いと思います。
確かに摂取カロリーを減らして、消費カロリーが増えれば、理論的に痩せることは可能です。ただし、健康的に痩せられるかというと、そうとは限りません。

カロリーより栄養バランスを重視しましょう

体型維持において食事で気になるのはカロリーですが、闇雲にカロリーを制限してはいけません。体重は減るかもしれませんが、必要な栄養素が取れずに栄養不足となってしまうかもしれないのです。
脂肪が燃えやすい代謝のよい身体を作るには、エネルギー源となる3大栄養素のほか、ビタミンやミネラル、食物繊維などさまざまな栄養素をバランスよくとることが不可欠です。
しかし、カロリーより栄養バランス重視といっても50代になると食事の量がなかなか摂れない方が増え、一見、健康そうに見える食事でも必要なカロリーが足りないということがよくあります。
厚生労働省が定めた日本人の食事摂取基準では、以下の様に示されています。

50~69歳女性の必要なカロリー
身体活動レベル1:1650kcal
身体活動レベル2:1900kcal
身体活動レベル3:2200kcal

身体活動レベルは、普段の活動量がどのくらい多いのか目安となるものです。
身体活動レベル1は生活のほとんどを座って過ごしている状態、レベル2は買い物や家事、軽い運動をする程度、レベル3は立って過ごすことが多く、活発に運動しているというのが指標です。
自分がどのレベルに当てはまるのか振り返ってみると、必要なカロリーが見えてきます。レベルに対して必要なカロリーを上回ると太ってしまいますし、逆に少なすぎると栄養不足になってしまう恐れがあります。
極端に気にする必要はありませんが、時々意識してみるといいでしょう。スマートフォンのアプリに食事の写真からカロリーを計算できるものがあります。普段の食事の傾向を知るために利用してみてください。

50代で体型を維持するためには

食事については、バランスよく栄養を摂ることが大切です。炭水化物を抜いた糖質制限によって痩せようとする方もいますが、身体は糖質からエネルギーが作れなくなると筋肉を分解してエネルギーにしてしまうため注意しなければなりません。
筋肉がなくなると基礎代謝や運動量にも影響し、逆に太りやすい体になってしまいます。適度な炭水化物も摂るようにしましょう。

意識してタンパク質をとりましょう

普段から意識して摂取したいのがタンパク質です。筋肉の材料となるタンパク質は摂取量が不足しがちな栄養なので意識して摂る必要があります。
特に女性の場合、50代前後から筋肉量が急降下する傾向がみられます。その原因は女性ホルモンの分泌量減少が筋力低下の要因の1つとして考えられるようになりました。
年代別に筋肉量を比較した研究によると、女性の20歳前後と50歳前後では、50歳前後のほうが、平均体重が重いのにもかかわらず、下肢筋肉量は約1.7kg少ないことがわかりました。
これは20歳前後の女性に比べて下肢筋肉が約11.7%も減少していることを意味しています。
また、タンパク質を同量摂っていたとしても加齢とともに合成反応が遅くなるため、若い時よりもタンパク質を多く摂取しなければ筋肉を維持するのが難しくなるのです。

油は考えて摂りましょう

油をまったく摂らないという食事療法が以前流行したことがあります。流行した当時は欧米化が進み食卓に油分が多いおかずが増えた時期で、生活習慣病の増加が指摘され始めました。油抜きダイエットは、欧米化を見直すという意味で注目されましたが、油自体は身体に必要な栄養素です。
脂質は、おもに脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、糖脂質、ステロール類に分類されます。なかでも脂肪酸は体内で代謝されエネルギー源、細胞膜の構成部分になったりと重要な物質です。
脂肪酸はさらにいくつかに分類され、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は乳製品や肉、植物油に多く含まれており、摂りすぎるとLDLコレストロールが増加し動脈硬化が進むといわれています。
不飽和脂肪酸は身体にいい影響を与えるとされており、代表的なものとしては青魚に含まれるDHAやEPA、肉や卵、魚に含まれるARAがあります。
油をまったく摂らないと肌トラブルを起こしやすくなるため、適度な油分が必要になります。身体に必要な油を選んだうえで、バランスよく上手に取り入れていきましょう。

果物は食べてもいいのでしょうか

食事に果物を取り入れている方は多いのでは。糖質を気にする方もいらっしゃいますが、生活習慣病でなければ食べても問題ありません。
生活習慣病がある場合、注意が必要です。果物に含まれる果糖は過剰に摂取すると中性脂肪が増え、肥満につながる恐れがあります。肥満気味の人や脂肪肝と診断された方は控えたほうがいいでしょう。

脂肪燃焼に効果的な有酸素運動

体型を維持するには運動が大切です。中度程度の運動量で毎日30分以上を目安に有酸素運動を実施することが推奨されています。
有酸素運動はちょっときついと感じる強度で行うと脂肪燃焼に効果的です。目安となるのが心拍数です。
心拍数は心臓が収縮して全身に血液を送り出す拍動数で、人間が1分間に発揮することのできる最大の心拍数を最大心拍数といいます。およそ「220-年齢」が最大心拍数の目安となります。
脂肪燃焼が起こりやすい心拍数は「最大心拍数×40~60%」で、有酸素運動中、この範囲の強度を意識できれば効果的です。
最近の腕時計には心拍数を測ることができる機種が、5000円以下で購入できますので、試してみてはいかがでしょうか。
注意点は長時間の有酸素運動は脂肪だけではなく筋肉も消費してしまいます。あまり長時間続けるのではなく60分以内を目安にするといいでしょう。

筋肉をつけましょう

脂肪を燃焼させるには有酸素運動が効果的ですが、たるんでしまった身体を引き締めるのは筋力トレーニングが必要です。
筋肉はボディラインを引き締める効果がある、自前のコルセットです。そして、筋肉は体内で糖と脂肪を燃焼してくれる臓器でもあります。全身で使われる糖の70%は体内で燃焼されています。
適切にトレーニングをすれば、50歳を超えても筋肉はつきますので、週に2回以上を目安に頑張りましょう。
ただし、若いころと比べて関節のすり減りも起こっており、じん帯・筋肉の柔軟性も落ちているので、あまり強い負荷をかけるとケガの元です。強い負荷がかけられないということは、トレーニング効率が落ちてしまうため、若い人と比べると筋肉がつきにくいと言えるかもしれません。しかし、筋肉を衰えると、自力で歩けなくなることにつながります。いつまでも自分の足で歩きたいのであれば、トレーニングは欠かせません。

おすすめの筋トレメニュー

50代女性向け筋トレメニューは、スクワット・エアプルダウン・マウンテンクライマーになります。

スクワット

筋トレといえばスクワットをイメージされる方は多いのではないでしょうか。スクワットは下半身の多くの筋肉を鍛えるだけではなく、姿勢を維持するのに役立つトレーニングです。また、骨量低下の予防の効果もあります。
しゃがむ深さや足幅などで負荷を変えられるので、自分に合った負荷とフォームで行いましょう。

エアプルダウン

エアプルダウンとは広背筋という背中の筋肉を鍛えて、美しい姿勢を維持するためのトレーニングです。背中を鍛えると同時に胸や肩甲骨周りの柔軟性も上げられるので、肩こりの予防にも効果があります。
普段から肩こりが気になる方におすすめのトレーニングです。

マウンテンクライマー

腹筋をメインとして様々な筋肉が鍛えられるだけではなく有酸素運動にもなるトレーニングです。正しい姿勢をキープして下半身を動かすので姿勢づくりはもちろん、疲れにくい身体づくりとしても効果的です。

筋トレで注意したいこと

筋トレで注意したいポイントは、身体の姿勢や癖を整えてから運動することと骨の強度が落ちないように運動することが大切です。
身体の姿勢や癖を整えてから運動しないと、せっかくトレーニングをしても思っていた場所に筋肉がつかず、理想とは異なる結果になる可能性があります。また、50代は女性ホルモンの分泌量が大きく変化する年代です。筋トレをしながら骨の強度が落ちないようにする工夫が必要なので、すでに骨密度が低下している場合は負担がかからないように気をつけましょう。骨の強度が落ちない工夫とは、食材からバランスよく栄養素をとり、日光を浴びるなど、色々な角度で取り組むことができます。
一人で筋トレをすることに不安がある場合、パーソナルジムでトレーナーにサポートしてもらいながらトレーニングするという方法もあります。

50代は肥満と該当されやすい年代です

50代は統計上、肥満に該当する方の割合が他の年代と比べて多く、健康のために何らかの行動を起こしている方の割合が少ない傾向にあります。
基礎代謝量も落ちるため、若いころと比べても体重が落ちにくくなります。そのため、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを知るために、現在の基礎代謝量と身体活動レベルを確認し、目安となるエネルギー量を把握しましょう。
体型維持を心がけて行動する意味を知ることも大切です。体型維持には適度な運動とバランスの良い食事が大切で、生活習慣病予防にもつながります。
今の生活習慣を見直し、少しずつ健康に対する意識を高めていきましょう。